ロールモデルになるような、各業界の第一線で活躍している方々をインタビューと年表で紹介するこのコーナー。第8回のゲストは、“ケータイ小説の女王”と呼ばれ、ソーシャルネットにも造詣が深い小説家&エッセイストの内藤みかさんです。

大学在学中に大失恋したことがきっかけで書いた官能小説の連載が決まり、小説家デビューされた内藤さん。その後、ケータイ小説を手がけて引っ張りだこになり、“ケータイ小説の女王”と呼ばれるように。またブログやメルマガをはじめ、最近はツイッター、フェイスブックなどのソーシャルネットも活用し、『夢をかなえるツイッター』『1日10分からのソーシャルネット入門』などの著書を出版されています。内藤さんのこれまでの歩みについては、ぜひ年表をご覧ください。
◇個人のブログ 「作家・内藤みかのメインブログ」 

「私の活動はソーシャルネットとともにあるので…」

現在のお仕事について教えてください。

今はソーシャルネットにはまりつつ、小説を書いたり、エッセイを書いたりしています。小説も多岐にわたって、ケータイ小説だったり、官能小説だったりですね。最近『1日10分からのソーシャルネット入門』(技術評論社)を出しましたが、私の活動はソーシャルネットとともにあるので、ソーシャルネットにどのようにはまっていったのかが面白いかなと思って、草の根BBSから始まって、メルマガ、ブログ、最近はツイッター、フェイスブックなど、実際にいろいろやってきた経験からまとめてみました。

『3.11 心に残る140字の物語』(学研パブリッシング)というチャリティー本もつくりました。これは私が大震災をテーマに書いていたツイッター小説が出版プロデューサーの山田さんの目にとまって出版が決まり、みなさんから募集したツイッター小説を私が編者としてまとめたもので、印税は全額寄付という完全なボランティアです。私の小説は学研の編集者の方にいろいろと没にされまして(笑)、100編中3編しか載っていません。作家さんで、震災をテーマに小説を書きたいという方は多いんですよ。でも長編だと時間がかかるので完成したというかたはまだお見かけしていません。ツイッター小説は140字なので早くできたのだと思います。

ロールモデルにされている方はいますか?

林真理子さんです。同じ山梨県出身で、とにかく素直に書かれてらっしゃる方なので、林さんの本を読むと、自分はまだまだ未熟だと思います。直接お会いしたことはまだないですけど、いつかぜひおめにかかりたいですね。

「読者が、読んでよかったなと思うものを書きたい」

過去を振り返ってみて、今だから思うことは?

最近小説を書けてないですね。ここ数年、子供のこともあって、自分のことを考えるひまもないぐらい忙しかったんです。このところ落ち着いてきたので、また長編を書いていきたいですね。過去の作品リストを見ると、まだまだ全然書いてないなと思います。書きたいテーマがまだ50個ぐらいあるんですよ。でも、2010年は子供の退学や不登校などがあってつらくて小説を書けなかったので、これから書かなきゃなって思いました。

たとえば新人のイケメンタレントさんが100人いるとするじゃないですか。一人一人について書いていったら100冊は書けるんです。すごく多情なんですよ、イケメンに限るんですけど(笑)。イケメンはいっぱいいるから、300冊ぐらい書けますよ。もちろん全然会わなくても、妄想だけで書けます。皆さんからすれば、みんなほとんど同じ顔に見えるかもしれないけど、私から見ると一人一人違っていて、ちょっと違うだけで書くポイントも違うので。

自分の中で目標があって、40歳までに100冊って思っていたんですけど、届かなかったのが悔しいです。まだまだ自分の中では、これは自分の代表作というのが実はなくて、100%満足したものがまだ書けてない感じがするので、本当にがんばって書いていきたいですね。

書くときにいつも考えるのは、読む人が、読んでよかったなと思うものを書こうということです。官能小説だったらより気持ちよくなっていただいたり、離婚のエッセイだったら、夫婦で悩んでいる人にとってなんらかのヒントになれば。物語を楽しむだけというよりは、そこから何かを得ていただけたらと思うんです。ネットのノウハウ本であっても、読者の方から役に立ちましたって言ってもらえれば、それが一番自分にとってうれしいです。普通の作家さんが考えている感動というものとは、自分が求めているものは違うのかなと最近すごく思っています。

今年に入って、4作連続の携帯ドラマの脚本書きの仕事があって、新人のイケメン俳優さんたちを主人公にして書いたんですけど楽しかったですね。主人公をいかにイケメンにして、いかに見ている方をときめかせるかと。サービス精神が自分の中にあって、見てよかったでしょ、読んでよかったでしょっていう、楽しい時間を与えることができるのであれば、それが自分にとって何よりも大きいかなと、最近やっと気づきました。

将来の夢は?

最近脚本に凝っていることもあって、将来は長い舞台の脚本を書いたり、自分の小説を自分で脚本化したりしたいですね。自分でメディアミックスできるように。

冗談でイケメンブログというのを始めたら、1日2000ぐらいアクセスがあったんです。しかも、グーグルで「イケメン評論家」を検索したら0人だったので、勝手に「イケメン評論家」って名乗っていたら、それを検索してフジテレビから出演依頼が来ました。映画の試写会のご招待をいただいたり、記者会見にも呼ばれたり、趣味としてはこんなに面白いことはないですね。それで、自分のキャリアとイケメンたちをうまく合体して、舞台の脚本ができたら言うことはないです。今の目標はそれですね。

あとは、歌手や画家の方は世界からオファーが来るけど、作家はいくらフェイスブックで情報発信しても、言語の壁があってなかなか世界に出て行けないので、その壁を壊してみたいです。村上春樹さんのようには自分の作品を翻訳してもらえないので、自力で翻訳してでも、自分の文章を世界に出したいですね。なんとかしてフェイスブックでできないかなと、フェイスブックページのタイトルを「内藤みか Novelist」って外国の方にも小説家だとわかるようにしています。

ただ最近は娘のフェイスブックページのほうが人気が出てきたので、先に娘が世界に行ってしまうかも。娘は絵を載せてますけど、外国の方も絵だと自然と「いいね!」を押したりしてくれるじゃないですか。娘のほうが「いいね!」が多いので、悔しいなと思っています(笑)。

お子さんの教育で何か気をつけていることはありますか?

一芸にひいでること以外は考えてないですね。息子は数学、娘は絵と、それ以外は何もないです。普通、数学ができる子には「あなた、国語もやりなさいよ」ってなっちゃうけど、私は息子には数学ばっかりやらせています。本人にとって自信がつくし、これだってものがあったら、それだけで生きていけるので。

「作家になりたい人に言うのは「まず書いてね」ってこと」

若い人へアドバイスするとしたら?

自分はこれだってキーワードを見つけると楽になります。私の場合はものを書くことでした。これってものを見つけられない人が多いじゃないですか。自分で見つけられないなら、人から聞いてもいいし、それで自分に何か冠をつけるといいと思います。

小説家になりたい人へアドバイスするとしたら?

いつも言うんですけど、作家になりたいって人は多いんですけど、作家になってこれを書きたいって人は少ないんです。作家になってから作品を書くのではなく、書きたい作品があって作家になるものじゃないかなと思うんです。順番が逆なんですよ。作家のステイタスに憧れて、作家になりたいって言ってるだけの人が多すぎます。作家になりたいって人に言うのは「まず書いてね」ってことです。一作書くだけで、作家志望者全体の1割に残れると言われています。それぐらい実際に書いている人が少ないんですよ。本当に作家になりたい人は、誰に言われなくても書いて、賞に応募したり、自費出版でもなんでも本を出したりしています。今なら電子出版もあるし、まずは書くことです。

小説を書くときは、ストーリーをつくるところから始めるのですか、それともキャラクターですか?

私の場合はテーマですね。例えば「離婚」をテーマにしようとか。今は「家庭教師」で書きたいんですけど(笑)。キャラクターとかはあとからですね。でも「家出少年」の小説を書きたいとか、明確なモデルがいる場合はまた別ですけど。私の本は一言でテーマを言えちゃうようなものが多いです。
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